Sophomore & Under

まだお子様がソフォモアかそれ以下というあなたは、余裕を持って、学費の準備をはじめることができます。ジュニア、シニアのお子様をお持ちの家庭は、大学入学までの期間が短いために、どうしてもできることが限られてしまいます。それに対し、あなたのお子様がまだソフォモアの年にいるまでは、そのような心配は入りません。さまざまな手段の中から、もっとも良い方法を選び、実行すれば良いのです。

子供が小さい頃からの学費の準備は、どのように行えばよいのでしょうか?


世間一般に知られている「学費の準備」と称されるものの中には、必ずしも多くの家庭にとって適切ではない方法も数多く出回っているのが実態です。その方法の多くは、CPAやフィナンシャル・アドバイザーによって、節税の手段として薦められています。私は、CPAやフィナンシャル・アドバイザーを決して非難しているわけではありません。彼らは、彼らなりの知識や経験を生かして、節税のアドバイスをしているに過ぎないのです。しかし、Financial Aidの観点からみると、必ずしも家計を助ける結果にならないケースも存在するのが事実です。実際に、 彼らの薦めるほとんどの節税手段を見てみると、数千ドル~数万ドル単位でのFinancial Aid額の減少をもたらすこともあります。


こんな例が実際にありました。


NY州のロングアイランドに住むトム(仮名)は、娘のジェニファー(仮名)が5歳の時に、CPAのアドバイスにしたがってUGMA口座を開き、当時貯めに貯めた銀行口座のほとんどのお金を使って、満額10万ドルのゼロ・クーポン債を買いました。トムの年収は、8万ドルくらいです。(詳細は省略しますが、UGMAとは親が管理者となる子供の口座、ゼロ・クーポン債とは、満額の割引で買う債券のことです。)債権の価格は順調に増えていき、ついにジェニファーが大学受験を迎える頃、予定通り満期を向かえ、10万ドルとなりました。


ところが、いざ大学受験・申請書提出という時になって、トムの家庭のFCを計算したところ、なんと、Family Contribution = 約$50,000になりました。FCは、支払い能力を表す数値ですから、FC=$50,000ということは、学費が$50,000以下の大学に出願すると、ほぼFinancial Aidは得られない、ということです。娘のために作ったUGMA口座が、FCに大きな影響を与えてしまったのです。


一方、もし同じ10万ドルが、たとえば親の年金口座に入っていたら、FCが$15,000くらいになります。(なお、年金口座は一つの例であり、全ての方にとっての解決方法ではありません)FCが$15,000ということは、私立大学からは、多くて2万ドルくらいのFinancial Aidを期待できます。


これだけのお金を、トムの一家は、みすみす逃していたことになります。4年間で考えると、8万ドルものお金が、ただお金を置いておく場所を間違えたという理由だけで、失われてしまったのです。子供の資産は親の資産よりも重く評価されるということは、Financial Aidの世界では常識です。しかし、トムにアドバイスを与えたCPAはその事実を知らなかったのです。節税によってセーブできた額は、せいぜい3,4千ドルといった程度のものですから、いかにこの判断が重大かお分かりいただけると思います。


偏った知識により、間違った貯蓄を行うと、大学からの請求書を受け取ったときに、とりかえしのつかない結果となってはね返ってきます。正しい知識を使った上で、今から学費負担を最大限におさえるための方法を知り、実行に移すことが必要です。さまざまな家庭のパターンを見てきた私の経験からすると、7-8割の家庭は、ジュニアになるまでに、子供の学費のために何の準備もしていません。残る2-3割の「準備をしている家庭」でも、正しくない準備をしている家庭は多いのです。


本当にしくみを理解して、有利な形で学費を準備している家庭は、非常にわずかです。まだお子様がジュニアに進学していないあなたは、現在、非常に幸運な状況にいます。今すぐ、行動を起こせば、将来、その時が来た時に、他の家庭に大きな差をつけることができるのです。弊社では、各家庭の状況に応じたコンサルティングを実施しています。コンサルティングの結果をもって、具体的なアクションを起こし、将来の学費出費に備えましょう。